テアレスキュー技術情報

フィルムスキン製剤 テアレスキューの製剤評価試験

試験実施期間:2017年2月20~22日

【耐水性比較試験】

試験目的
テアレスキュー塗布後に形成される被膜の耐水性を比較検討する。

評価試験タイトル
テアスキューの色素拡散評価試験

被検体:
①テアレスキュー(以下TR:ウインセス株式会社)
②他社製プロテクト剤(以下X:国産)
③他社製皮膜製剤(以下Y:海外ブランド)
④コントロール(以下CO:無処置対象)

【試験Ⅰ】

試験シート1の作成直径90mm、厚さ0.26mmのろ紙(ADVANTEC製)をシャーレにセットして2%洗剤溶液10mlをスポイトで均一に添加し、*洗剤溶液層(シート)を作成する。

■試験シート2の作成
コピー紙(マルチペーパースーパーホワイトB4)を直径80mmの円形に切り抜き、その円形シートにコンパス(SP001SV-600)を用いて直径2cm、4cm、8cmの円を記録し、更に円の中心点経由の十字線を記した(図1)。
※合成洗剤:界面活性剤(18%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム・アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム)

■試験方法
上記方法で作成した試験シート2の直径2cmの円形部に赤色水彩絵の具(サクラマット水彩)で赤色に塗り塗り潰した。この処理した
シートに各被検体を均一に1ml塗布した後、シャーレ内の試験シート1の上にセットして、40℃の恒温槽にて1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び12時間後に洗剤溶液1mlをシート中心部に添加後、中心部の赤色色素の拡散程度を下記の評価基準に従って点数評価し、無処置対照であるコントロールと各被検体の赤色色素の拡散の大小を比較検討した。又、最終判定時間であるセット12時間後にコントロールに対する各被検体の抑制率を下記の方法で算出した。

■評価基準
直径4cm円内に色素拡散:4点(1分割1点×4)
直径6cm円内に色素拡散:8点(1分割2点×4)
直径8cm円内に色素拡散:12点(1分割3点×4)
色素拡散抑制率(%)=CO点数-被検体点数/CO点数×100

【試験Ⅱ】

■試験シートの作成
直径80mm、厚さ0.26mmのろ紙(ADVANTEC製)の中央に赤色水彩絵の具(サクラマット水彩)を用いて、筆で酉の一字を書き込んだ後、室温にて乾燥させた。

■試験方法
上記方法で作成した試験シートに被検体であるTR,X及びYを各々1g均一に塗布した。この各サンプルを試験1で使用した2%洗剤溶液を10mlを添加した直径90mmのシャーレにセットした。セット12時間後に赤色で書いた酉の字の変化を観察し写真記録した。同様に2%次亜塩素酸ソーダ溶液を用いて試験を実施した。

■試験結果Ⅰ
試験結果を表1と図2、図3及び写真1に示した。TRはセット1時間後から8時間後まで全く色素の流出は無く、12時間後に評価点数1点の僅な色素流出が求められた。これに対し比較対照であるXは時間経過に添った色素拡散が認められ、12時間後では評価点数8点であった。YはXに比較して色素拡散は少なかったもののYと同様に時間経過に添った色素拡散が認められ12時間後の評価点数は6点であった。無処置対照であるCOは最も高い色素拡散が1時間~12時間に渡って確認され、12時間後の最終の評価点数は10点であった。Xの色素拡散が円形状であったのに対してYの拡散が放射線状であったことは、前者がジェル、後者がスプレー(シリコーン入り)といった製剤構成上の差が出たものと考えられた。尚、COは比較的に色素の均一拡散傾向を示した。又、セット12時間後の無処置対照(CO)に対する色素拡散抑制はTR90%、X20%、Y40%であり、TRが最も高い抑制率を示した。

■試験結果Ⅱ
試験結果を写真2及び3に示した。被検体処理した各サンプルを2%洗剤溶液に浸漬した場合は、浸漬12時間後の判定で、TRは殆ど変化が無かったが、Yは色素の広い拡散が認められた。又、Xは僅かに字が薄くなる程度の色素流出がある様に思われた。2%次亜塩素酸ソーダ溶液に浸漬した場合は、TRは殆ど変化が無かったが、Xは一部に脱色が求められた。対照である無処置のCOでは殆ど字が脱色されて原字である酉の字が消失した。

■色素拡散評価試験1 (水)


■色素拡散評価試験2 (洗剤液)


■色素拡散評価試験3 (次亜塩素酸ナトリウム)


表1 テアレスキューの色素拡散評価試験結果
被検体 0hr後 1hr後 2hr後 4hr後 8hr後 12hr後
TR 0 *0 0 0 0 1
X 0 2 4 7 7 8
Y 0 1 2 4 5 6
CO 0 5 7 8 8 10

*:評価点数






■考察
TRは特性の異なる色素拡散試験を通して、色素の拡散を持続的に確実な抑制したことは、色素表面に形成された耐水性被膜が従来の使用濃度より高濃度の洗剤液や次亜塩素酸ソーダ溶液にも関わらず色素表面を強く持続的に保護した結果であると考えられた。又、この被膜保護効果は従来使用されているYやXに比較して遥かに確実で持続性があり洗剤や殺菌剤が多用される領域に於いて、手荒れの予防と治療を含めた手の保護剤として利用が大いに期待される。

■まとめ
①TRは対照製剤である市販のX及び比較して最も強く色素拡散を抑制した。
②TRは色素拡散を持続的に抑制し、その効果は市販のX及びYに比較して実験期間中、優位に推移した。
③セット12時間後に測定した無処置対照にたいする色素拡散抑制率はTR90%でX20%、Y40%に対して高い抑制効果を示した。
④TRは通常の約10倍の濃度の洗浄液及び次亜塩素酸ソーダ液に対して確実な色素の保護効果を示し、市販のX及びYを凌ぐ結果であった。
⑤TRは耐水性被膜の形成といった従来にない特徴を備えた画期的な製剤であり、その特徴を活かして手荒れの予防と治療といった皮膚保護を目的とした領域で有用な製剤になることが期待される。


以上


試験協力施設/香川県産業技術センター
試験管理/日本健康科学研究センター所長
医学博士・薬学博士 岩倉 泰一郎
(徳島大学医学部皮膚科眉遥会所属)