テアレスキュー技術情報

テアレスキューの製剤評価試験

試験実施期間:2017年2月8~9日

【被覆効果試験】


■試験目的
テアレスキューの被膜形成後の被覆効果を比較検討する。

■被検体
①テアレスキュー(以下TR:ウインセス株式会社)
②他社製プロテクト剤(以下X:国産)

■指標媒体
①ハンドクリームA(以下HA)
②ハンドクリームB(以下HB)

■測定機器
電子天秤(SARTRIUS社製)

■試験方法
工程Ⅰ:直径35mm、厚さ0.26mm、重量60mgのろ紙の片面に指標媒体NCとUAをそれぞれ30mg均一に塗布し、同処理したろ紙5枚の重量を測定し平均値を求めた。
工程Ⅱ:上記の媒体処理サンプルの両面に被検体①又は②を均一に塗布し、10分間室温にて自然乾燥させた後に重量を測定した。
工程Ⅲ:上記サンプルを洗剤液内で10回震振、5分間浸漬した後、室温にて10分間乾燥後に重量を測定した。
工程Ⅳ:上記と同様の処理をして重量を測定した。
工程Ⅴ:上記と同様の処置を繰り返し実施して重量を測定した。

■試験結果
試験結果を表1と図1に示した。NC塗布後のTR処理(以下TR-NC)は、工程Ⅱでは160mgを記録し、工程Ⅲ及びⅣでは180mg、最終の工程Ⅴでは190mgを記録した。UA塗布後のTR処理(以下TR-UA)は、工程Ⅱでは190mg、工程Ⅲ及びⅣでは200mg、最終の工程Ⅴでは210mgであり、TR-NCと同様の重量変化パターンを示した。これに対してNC塗布後のPX処理(以下X-NC)は、工程Ⅱでは320mg、工程Ⅲで330mgであったが工程Ⅳで170mg、工程Ⅴでは160mgと極度に減少した。UA塗布後のPX処理(X-UA)では、工程Ⅱでは370mg、工程Ⅲで370mg工程Ⅳで180mg、最終の工程Ⅴでは170mgであり、X-NCと同様の重量変化パターンを示した。

■考察
TRはNC及びUA塗布後に被膜処理したサンプルは3回の洗浄を繰り返す度に僅かに重量増加はあるもののほぼ被膜処理初期の重量を維持し、初期処理(工程Ⅱ)から3回洗浄後(工程Ⅴ)の重量増加率はTR-NCで18.8%、TR-UAで10.50%であった。
この結果はTRが性質の異なるNCとUAに関わらずろ紙に塗布された膏体表面を被膜で確実に保護し、NCとUAが脱落するのを保持したものと考えられた。これに対してPXはNC及びUA塗布後に塗布処理したサンプルは1回目の洗浄(工程Ⅲ)では膏体が保持されたが、2回目の洗浄(工程Ⅳ)では初期処理(工程Ⅱ)に比較してHB,HA共に約50%の膏体が脱落し、更に3回目の洗浄(工程Ⅴ)ではNCの50%、UAの54.1%が脱落した。この結果は、Xの被膜保護効果はあるものの強度は弱く、その持続性に問題があるものと考えられた。また、初期の指標媒体であるNCとUAの塗布量がほぼ同じであったにも関わらず、処理工程(工程Ⅱ)で被検体の塗布量がTRに比較してPXが多かったのは、製剤の物性に起因するものと考えられる。TRは耐水性の被膜形成により患部の保護に加えて、他の外用製剤の適確な投与と持続性を保持できるものであり、今後の臨床応用が期待される。

表1 テアレスキューの被覆保持機能試験結果
被検体 ろ紙重量 工程Ⅰ 工程Ⅱ 工程Ⅲ 工程Ⅳ 工程Ⅴ Ⅴ-Ⅱ/Ⅱ×100
TR-NC 60 90 160 180 180 190 18.80%
TR-UA 60 90 190 200 200 210 10.50%
X-NC 60 90 320 330 170 160 -50%
X-UA 60 90 370 370 180 170 -54.10%



■まとめ
①TRは性質の異なる外用製剤NCとUAの洗浄による脱落を確実に抑制し、その保持効果に持続性が認められた。
②対照製剤UAは、性質の異なる外用製剤HBとHAの洗浄による脱落を抑制したが、その持続性に問題が残った。
③TRはUAに比較して、皮膚への膏体の保持効果と外用製剤の保持効果が遥かに強いものと考えられた。
④TRの被覆効果と持続性は耐水性被膜によるものと考えられた。
⑤TRは従来の外用製剤にはない耐水性被膜の特徴を活かした製剤として大いに臨床応用されることが期待される。


以上


試験協力機関/香川県産業技術センター
試験管理/日本健康科学研究センター所長
医学博士・薬学博士 岩倉 泰一郎
(徳島大学医学部皮膚科眉遥会所属)