テアレスキュー技術情報

フィルムスキン製剤 テアレスキューの製剤評価試験

試験実施期間:2017年2月6~10日

【引張強度比較試験】


■試験目的

テアレスキュー塗布後に形成される被膜の引張強度を比較検討する。


■被検体

①テアレスキュー(以下TR:ウインセス株式会社)
②他社製プロテクト剤(以下X:国産)
③他社製皮膜製剤(以下Y:海外ブランド)
④ハンドクリームA(以下HA)
⑤ハンドクリームB(以下HB)
⑥コントロール(以下CO:無処置対象)


■試験片の作成1)

直径90mm、厚さ0.26mmのろ紙(ADVANTEC製)の片面に上記①~⑤の膏体1gを均一に塗布し、室温にて18時間放置後、図1の方法に従って試験片を作成した。


■試験片の作成2)

直径90mm、厚さ0.26mmのろ紙(ADVANTEC製)の片面に上記①~⑤の膏体1gを均一に塗布し、室温にて18時間放置後、各サンプルを洗剤溶液10mlを入れたシャーレをセットした。
マルチシェーカーで30回洗浄後に30分間浸漬した。その後、各サンプルをシャーレから取り出し、18時間室温放置後に図1の方法に従って試験片を作成した。



■試験方法


写真1
上記方法で作成した試験片を図2に示した試験条件で引張強度測定機器(写真1)を用いて各被検体の引張強度を室温19.4℃湿度22%の条件下で測定し、無処置対照であるコントロール(ろ紙単独)と対して、各被検体の強度の減弱を比較検討した。


■試験結果と考察

試験結果を表1と表2及び図3と図4に示した。
試験片の作成1で調製した被検体では、ろ紙単独であるCOに比較してTR:2.15倍、X:0.47倍、Y:1.97倍、HA:0.30倍、HB:0.62倍の各測定強度を示した。TRとYがろ紙の引張強度を高めたがX,HA及びHAは逆に弱める結果であった。この結果から、何らかの皮膜を形成した製剤はTRとXと考えられ、特にTRの被膜強度は高いものと考えられた。試験片の作成2で調製した被検体では、ろ紙単独であるCOに対してTR:1.50倍、X:0.51倍、Y:1.37倍の各測定強度を示した。TRとYはろ紙の強度を高めが、Yは弱める結果であった。
この結果から、TRとYは耐水性を有し、洗剤に対する保護効果も高いことが推察された。但し、TRは塗布製剤であるがYはスプレー剤であり、実際の10倍以上の使用量で評価している点を考慮すると、TRが現実的には被膜強度と耐水性に優れた製剤であると考えられる。


表1 テアレスキュー引張強度試験結果

被検体 測定値:* 強度順位 CO↓↑ 測定値/CO
TR 4.943521 1 2.15
X 1.074292 4 0.47
CL 4.546938 2 1.97
HA 0.691432 5 0.3
HB 1.426458 3 0.62
CO 2.303938

*N:最大引張荷重N/mm


表2 テアレスキュー引張強度試験結果
被検体 測定値* 強度順位 CO↓↑ 測定値/CO
TR 3.460655 1 1.5
X 1.167639 3 0.51
Y 3.150607 2 1.37
CO 2.303938

*最大引張荷重N/mm


■まとめ
①TRは市販の手のケアを目的とした汎用製剤(X・Y・HA・HB)に比較して最も高い引張強度を示した。
②TRはコントロールであるろ紙の引張強度を約2倍強化したことから塗布後の被膜形成を推測させた。
③TRは洗浄液による洗浄と浸漬条件下でもコントロールであるろ紙の引張強度を約50%強化したことから、形成被膜の耐水性と保持効果が高いものと推測された。
④TRは過酷な環境下で荒れた手の保護と手荒れの予防の観点から、耐水性被膜の形成といった従来にない外用製剤の特徴を備えた新しいタイプの製剤であると考えられた。

以上

試験協力施設/香川県産業技術センター
試験管理/日本健康科学研究センター所長
医学博士・薬学博士 岩倉 泰一郎
(徳島大学医学部皮膚科眉遥会所属)